交渉に必要な建前ごと

「お茶漬けいかがです~」

「京のぶぶ漬け」
と言う言葉があります。

これはお茶屋さんが客を帰らさせるために出来た言葉です。
相手に「そこまでしてくれるのは申し訳ない」と遠慮をさせて帰させます。

これはお客さんに「結構」と言わ”せる”文化で押し付けがましいと思います。
「お前がこっちの文化に従え」、といわれている傲慢ささえ見えます。

このような文化は
相手は自分の文化を理解してくれるだろうといった甘えから来ています。
いろいろな文化が混在する状況ならば、こんなやり取りは通用しません。



前と交渉

このような言葉遊びは仲間内で通してこそだと私は思います。

他文化との協調をする可能性がある場合、
自文化をかたくなに固執するのは幼稚です。

外交問題をはじめ、交渉でも同じようなことがあります。

例えば質問者が「YesかNoか?」ときいたときに、「善処します」と言った場合
そのとき質問者はYesと思いますが、後で応えた側が「Yesとはいっていない」などといっていたとしたらそれこそ交渉が意味の無いものとなります。


前を言った人の気持ちと損得

そうした意味不明な対応をした場合、対応した側は
「文化や面子を守った」と思われているかもしれませんが

くだらない建前や面子のおかげで、
莫大な損失を招いているケースは
枚挙に暇がありません。

相手にとって利害が無いならば
多少の脚色や
事実の拡大解釈・過小評価はしてもかまわないと思いますが、
嘘を言って面子を守るのも考えものです。
ですから、建前を出すにしても全面的に採用せず
基本的には素直な部分を見せ、場合によっては
部分部分で建前を適度に使う必要があると思います。


それを以下を読んで考えました。
「頭のよい子は「ことば」で育つ(外山滋比古著 PHP研究所 2008.2)」です。




















タイトルが少し本の内容とはずれています。
ですが人間の成長過程について良いことは書いてます。

を読みながら私が感じたこと

普段あまり電車に乗らない(乗ってもローカルな京都市電とか)ので
気が付くことは少ないのですが、東京などへ行った際、ホームに居ると
JRのアナウンスが爆音で鳴っていることに気が付きます。
そのアナウンスの鳴っている間にホームに居る人と話をしようものなら
こちらもアナウンスに負けじと爆音で話さなければならず、私は疲れます。
「そこまででかい音を鳴らさんと気づかんか?」というのが感想です。

ホームではめちゃくちゃうるさいJR(関東)のアナウンスですが、
電車の中に入るとそれとは対称的で、お客さんが車内で一斉に
ケータイを取り出しぽちぽちメールか何かを打ち出すためシーンと静かになります。
京都で言う緑の奈良線やだいだい色の大阪環状線の12人掛けのシートに
順序良く座って皆が皆携帯をいじるのを見ると異様な冷たい感じを受けます。

一方関西の電車内は車内の人同士で話していることが多く、煩さは多少気になりますが、
近しい間柄の人がしゃべっているところがあるからなのでしょうか、
何か耳に入ってくる言葉を聞いても心の”温かみのようなもの”が感じ取れる気がします。
それは、”言葉”のなかに本書で言うところの”心”が含まれているからかも知れません。
そういった心の含まれた言葉を仲間内だけで大事にすることも
普段の生活では重要なのかなと思いました。

あ、もしかしてそういった温かみのある言葉が
最初に記した建前言葉になるのかしら。

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