実用で使えるかもしれない10の数学




















当に数学は必要です。

 「数学なんか使えねえ」「数学って意味不明で解らない」という言葉を小学校、中学校、高校、大学でお聴きします。お好きでない方も多くいらっしゃるでしょう。

 多くの方が嫌う数学は避けたいもののようですが、実は社会で役立ちます。斎藤孝さんの「退屈論」でもおっしゃているように、単純な計算が出来ることで頭の体操になることは勿論ありますが、それだけでなく、話の論を読み解いたり、概念を理解したりするのに役立ちます。ですから知っておいて損は無いと思います。

 そこで私はここで数学の有用性を書きます。これまで嫌いだった方も数学に興味持っていただければと思います。


育方法に問題があるのかも知れない。

 まず、私は日本の教育方法が変だと考えています。なぜか、それは実社会との関連性を年齢が高くなるまで教わらないからです。今もそうなのかもしれません、少なくとも私の生徒時代はそうでした。

 全ての教科が繋がることの知ったのは大学4回生で論文を作るときのことです。今考えますと教員さんは社会に出ていることもあまりないのでしょうし、自分の教えている教科がどのように役に立つのかまで教える時間が無かったのかもしれません。

 しかし、実社会に出た私は今、役立つ教科が数学であることは容易にわかります。ですから、数学をあくまで「理解する」意味で、その実用的な部分を知ることは重要だと私は考えています。ここでは実際どのような場面で役に立つのか述べます。

 ちなみに私は生徒時代数学よりも社会を勉強する意味がわかりませんでした。年号や世界を覚えたからといって何の役にも立たないだろうなと思ったからです。そら国の首相になったり、グローバルビジネスを大きく展開していくのならば大きく見る目は必要なのだとは思いますが、それにしても時間が少なすぎます。また、歴史の授業で年号を覚えることがありますが、それ以上に事件が起こったきっかけや人の気持ちを筋道立てて話してくれるほうが役に立つのだと思います。ただそのような広い目で論理立てて話す先生は日本には少ないのかもしれません、残念です。


社会における数学の必要な場面、重要な順

 おかしな順番かもしれませんが、個人が利用できる部分と、管理者が利用できる部分とにわけ、それぞれ良く使うであろう順に並べました。

―個人が利用できる部分―

1)言葉の概念と証明
 「一番嫌い」といわれる方がいるのだと思いますが、これは「言葉」という概念をイメージする意味で一番重要です。Aの中にBがある、といった絵で書けば当たり前のことから、AがないならばBでないと言った複雑なものまで表現できます。この考えを利用することで他人の書いた文章の中身を理解でき、著者や作者が言おうとしていることを読み解けます。

 また、自分で文章を作る場合にも、文章間の論理的構成、例えば接続詞に置ける「だから」とか「加えて」など、文と文とをつなぐ構成要素を考える場合ことばの概念を発する「足がかり」となります。

 私は中学生にて証明を教えてもらった記憶がありますが、これこそ実は小学生の一番初めに覚える必要があると思います。これがうまく出来ないと日本語の組み立てもままならないからです。

2)確率統計
 物事には「あいまいさ」や「幅」が絶対あります。ぴったりなんてことはまず無いです。その「あいまいさ」を知るためには確率統計が必要です。

 「おおよそ」や「大体」等ということは学生が習う上では殆どありませんが現実的な社会では、例えば作られた製品品質の評価や宝くじが当たる確率から何回以降は挑戦しないほうがいいかなど事象の正しいか、正しくないかを計算で導き出すことができます。

ちなみにこれは高校生で習います。

3)足し算
 売り上げの計算が出来ないと困ると思われるのがこれです。経営では足し算が出来ないと、日々の売り上げができません。

4)引き算
 次に経営をする上で経費の算出時に、どれだけお金がかかったのか、目標達成までの期日など、追い込むときに必要と考えられます。物を作ったりするのには本当はお金がかかるものですが、その概念を取っ払って「売り上げがあがった」「売り上げが上がった」言ったとしても意味のあることとは言えません。

5)掛け算
 これは実際の作業の実績を重ねるときに役立つちます。一人当たりの力量を、単純に人数を増やした場合にどれだけの大きさになるかを(あくまで理想的に)考えられます。消費税の計算も出来ますね。


―管理者が利用できる部分―

 以下は実際の計算とは違って計算をしている人を離れてみた場合、即ち管理者的な立場になったときに役立つものです。


6)割り算
 どれだけの仕事をどれだけの期間でどれだけの人数で行うかと言った場合に一人当たりの仕事量を算出することが可能です。年間目標から人突き当たりの目標、一月当たりの目標金額に換算することも出来ます。

7)微分
 割り算とまったく同じなのですが非常に短期での目標を達成する場合にどの影響があるのかを簡単に調べたり、きわめて小さい変化当たりにどれだけの増加、あるいは減少があるかを計算できます。そして計算した結果が成果のある行動かの妥当性を数字で検討できます。

8)積分
 単純に言うと、ある特定期間における足し算です。積み立てます。割り算や微分で考えられた、一ヶ月あたり一人で達成した目標を一年、部署5人で行った場合にはどのような売上高になるか。であるとか、決められた時期における目標達成度合い(定積分)から未来への目標計画を作る意味で役立ちます。

9)因数分解
 作業や考えられることの共通項目を明らかにします。これが解ることで、実際の行動からどのような目標を抽出するか、であるとか、一見違う違う行動だと思われるものに対して何らかの共通点を見出すことが出来ます。Q.赤い帽子と赤い靴、共通点は何か。A.「赤」もしくは「人間が身につける物」などです。

10)幾何
 単純な角度ならば、サインコサインで三角形の割合を求めることが可能です。また経営状況を図式化し、その増加率などを調べる場合、三角関数を求めることで増加率を算出することが出来ます。事象が一定の周期で入れ替わる場合それを計算で算出することも出来ます。


とめ

 もちろん適材適所があるので、皆が皆管理用の数学を学ぶ必要があるとは思いませんが、教えてもらうときに単にこういうものだといわれるものよりは、どのようなところで使えるか教えてもらったほうが勉強する気になるのではないか、と思いました。

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