大学に行くことと生きる力を育てることとは異なる。

鳥さんも生きているんです、彼らは学歴とか関係ないでしょ?























時間変化による社会的状況と地域的状況

集団的な平等さから個の実力へ評価が移っている現在
女性の社会進出が望まれている社会では、高学歴化が進んでいます。
短大よりも4大への需要が高いです。

一方、中等教育公立学校では勉強をする力の弱い子の力を上げるため
秋田や福井などの一部地域では特殊な試みが実践されています。
それらの地域では統一教材から平均的な学力アップがなされてはいますが、
他県では教師側にも実態把握の面倒くささがあり、
恐らく教材会社から学校への賄賂を断る勇気も無いことから
ある程度以上の学力向上は期待できないと思われます。

また福井や秋田などの地方ではせっかく上げるようにした教育努力も
力を生かす場所が無く結局勉強への意欲低下へ進行しているようです。
残念でなりません。


隠れた国民意識

こうした高学歴を求める原因は
国民の総ホワイトカラー化な考え方があります。
どうも皆さん高等教育を受けさえすれば一流企業に入れ
且つ誰しもが高給をもらえると勘違いしている部分があります。
はじめに言いますが、そんなことはありません。

また
・何のために大学に行くのか考えることが少ないように思います。
大学の中でも昔は多かった試験一発という科目は少なくなっているようです。
本来学力が足らないものは留年をするのが常ですが、
それも少なくなっています。
・良い大学とは他人の価値観から評価されたもの
といった間違った解釈をする人も多いと思います。
確かに良い場合もありますがそのようなことはありません。
別次元の話です。

これらの考えはなんとなく
みなが同一の価値観を持っていることが望ましいと思っていることと
入学後に選別をしないことによる
全体への低下とが原因としてあるのだと思います。
現在大学の平均的な留年率は10%前後だそうですが、
私が在籍していた頃の高専や理系大学は留年率は30%程度でした。
学力維持のためには入学後のこうした選別は止む得ないと思います。
ちなみに私の卒業した佛教大学の通信では
入学者に対して10%程度しか卒業していません。


制度そのものへの疑問

そもそも大学を含め、
中等教育でもある高校は本来義務教育ではありません。
高校まで義務教育のように無償化せよ等と言っている方が居ますが、
私は、これは公費を無駄に費やすだけだと思います。

それよりは教育内容に関心を向け、
興味を持てる内容にしたり
学ぶ意欲を持たせるほうが先決なのではないか
あるいは中学校までの教育内容を
見直す必要があるのではないかと思っています。
そのため、皆が平等にではなく、
成績が優秀なものには報奨金を採らせるなり
論理のしっかり通った数学などの学問を
論理だてて学ばせる必要があります。

時にこうした高校を無償化をせよといった考えは
高校や大学を皆行くことを前提としている考えから
システム維持することを目的
と思ってしまっている部分があるのではないでしょうか。
そのような維持を目的としたところで生きた人は、テストに対して
出題者に近い意図で高得点をたたき出せるようになるとは思いますが
その分自分で何かを生み出すといった
生きる力は低くなるのではないかと思います。


高得点を取る力と生きる力

高得点をたたき出す力と、一方の生きる力とは
確かに多少は関連しますが基本的に違うものだと思います。
いうなれば知識と知恵です。

試験で高得点を取れる知識は、静的で変わらず結晶化されたものです。
何が高得点なのか、絶対的な指標はありません。

一方、生きる力、知恵は、柔軟性を持った動的なものです。
自分の考えと言った他人にどういわれようと変わらない絶対的なものです。

ゆとり教育も生きる力を育む一つの方法であったと思います。
ただ、今考えるとゆとり教育も空間を作るだけ作って
それを放置してしまったことに問題があったのだと思うのです。
ぽっかりあいた空間を塾通いで埋め、
競争がますます激化する社会になりました。
ですから、制度自体は良かったと思うのですが、
その制度の使い方や内容を精査するべきだったのだと思います。

現在はゆとり教育が無くなって競争が激化している教育の現場ですが
親子ともに教育について今からでも
一度考え直す必要があるのかもしれません。
どうするか、どう使うか、どう考えるか、
を大人も子ども同じになって「最高ではなく最良」の選択をする必要がある
そのように思います。
これには当然のことながら、
日本の学校のように正解があるわけではありません。
失敗することも当然ありますが、
例え失敗したとしてもそれからどう学ぶか
考え、行動する必要があるように思います。



以下を読んで考えました。
河本敏浩 名ばかり大学生 光文社発行 2009.12です。


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