相手を慮って行動の半歩先を行く方法


同じ目でなく、自分独自の目を見据えることも重要です。






















 お客さんが相手の場合でも共同で相手と課題を解決する場合でも、相手が何を求めているかを考える必要があります。これが考えられず相手の求めているものを提供できない場合、相手は困ります。それは問題です。そこでこうした問題に陥らないようにするためには、どのような行動をしたらよいのでしょうか。ここでは行動の先を考える場合に対し何を大事にするかといったことを書きます。


KYという言葉が流行る慮り文化の今


 かつて「KY」という言葉が注目されました。これは「空気が読めない」という言葉の「KUUKIGA-YOMENAI」のそれぞれ頭文字「K」と「Y」をとったもので、相手の言葉や状況が理解できないという意味です。

 これは仲間の間で共通の課題を達成しようとする場合に、足並みがそろわない意味で問題です。特に無意識にKYな行動ばかりしている人がいると、同じ課題を達成する仲間が、いつもKYな人が害を発生させないか注意せざるを得ない状況にあり、しんどくなってしまいます。ですから、意図的にKYすることは大事だと思いますが、無意識にKYなのは問題だと思っています。(ただし発達障害や認知症などでどう頑張っても空気が読めない場合があります。そうした場合には病院に行きましょう。)。

 なおこの「空気を読む」とは日本に昔からある「相手をおもんぱかる」という文化です。相手の状況や言動、気持ちを理解し、それに対し自分が相手にとって害のないような行動をする、ということです。ちなみにことバンクでは慮るとは
 動ラ五(四)]《「おもいはかる」の音変化。「おもんばかる」とも》周囲の状況などをよくよく考える。思いめぐらす。「相手の体面を―・る」

 という意味で使われます。


慮る相手の半歩先を読むことは今後重要


 このおもんぱかることと同じことは相手の行動の半歩先を読むということです。

 そのためには本でも相手の話でも自分が情報を手に入れて使わないと身につきません。ですから何らかの手段で受け取った情報を「いかに次回につなげるか」「いかに相手に合わせて使うか」といったことを考える必要がなります。

 近年は機械やプログラミングの技術が発達しています。それに伴って人と人とが接する機会が機械や技術が発達する前に比べて少なくなりました。ですので、人と人との接する機会が減少した意味で、この相手をおもんぱかることや相手の半歩先を読む行動という訓練が難しくなってきています。

 そしてこれからもますます技術発達がなされることを考えると、この慮る、半歩先を読むことへの訓練はますます重要になります。そこでこの「おもんぱかる」ことの訓練をするためには、はじめに相手と自分とで限りのあること、限界のあることを知ることが必要です。


相手の半歩先を読むために認識すること


 その限界を知るためには、①相手と自分とは違うことを認識し、②相手の記憶方法に合わせて興味を示し、一緒に行動をする必要があります。

 人間は通常視覚、聴覚、感覚のうち人によって違う部分で得意に記憶することがいわれています。ですからどの記憶方法が相手に適しているかを知り、それを相手に合わせて使うことが重要です(①)。
 またこうした相手に合わせて使うことを達成するためには、相手に積極性や興味を持ちながらつながりを持つことが重要だと思われます(②)。

 これは言い換えると自分の中にある強い部分を組み合わせ、自分の独自・アイデンティティを相手に合わせるということです。そのため、場合によっては相手に合わせるだけでなく、空気を読まずに行動をする必要も出てくるかもしれません。

 例えば私の場合は視覚で認識することが多く得意です。ですから私と同じような視覚の記憶方法が得意な方に対して、適切に表現することができます。
 また私だけでなくともカウンセリングの行われる場面では、こうした相手によって違う記憶方法や相手の言った情報を通して、相手が何を求めているのか常に半歩先を推察し、そのつど情報を提供しますそのようなことをしているからこそ、相手の行き先を提示することができるのです。その際、情報を提供することに対して具体的には1気持ちを共有して欲しいのか2あるいは具体的な指示を示して欲しいのか、を考えることが多いです。
 いずれも相手を観察あるいは推察し自分なりの情報を提供する事が大事だと思われます


それを以下を読んで考えました。
話し上手聞き上手 齋藤孝著 筑摩書房発行 2007.2です。

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