伝達時には型と相手を知りたい気持ちが必要。


 マクドナルドのマニュアルや工場における手順書もそうですが、何かしらの意図があって作られる「型」があります。これは文章の書き方や受け答えのしかた、伝達の仕方全般にもあり特定の場面において必要な「型」は何か、「型」の目的は何かを見出すことで次への行動へ役立てることが望まれます。そこでここでは「型」を見出すことの重要性、そして「型」だけでなくそれ以前に必要なことを書きました。


作業において重要視される型


 作業をする場合において「型」が一般的に用いられます。これがなぜ作られたか、何を目的とするかといったことは通常読み取ることは不可能です。
 しかし「型」を実践し、続けることで、作業を洗練したりあるいは失敗からの反省を経ることで、型の出来上がった意図や目的を見出せられる可能性があります。

 一般的にはある程度の品質を保証するために「型」の存在していることが多いです。例えばマクドナルドで言うところの「マニュアル」は、お客様にある程度の品質の商品を提供するために使われます。


文章作成や受け答えにもある「型」


 「型」と言うと作業、即ち手や道具の使うことを思い浮かべることが多いと思います。しかしそれだけでなく言葉や受けこたえにも存在します。

 こうした言葉や受けこたえに使われる「型」は本来、相手を理解するor理解してもらう目的で使われることが多い(相手に理解してもらおうと発する言葉を受け取る)です。しかし、周りを良く見ますと、どうも「型」を軽視している方の多い気がします。

 例えば相手の質問をする場合、通常文章が使われますが、それに対して「単語」で答えるような場合があります。この場合の「型」としての正解は「質問に対して応答で返すこと」です。しかし「型」にのっとっていないさきの「単語返し」をすることは、私は「型」を使えていない意味で残念だと思っています。なぜなら単語自体は相手の理解を得ることは出来るものの「型」を上手に使えていないことで、どこか相手に対して機械的な対応となる気がするからです。また単語さえいえばよいだろ、などといった傲慢さや間違った解釈も交わしてしまうことがあるような気もしています。

 すると先ほどの例にあるマクドナルドの応対でしたならば、想定外の単語がお客様から発せられる場合に自分が思考停止状態(エラー状態)に陥ってしまい何もできなくなってしまうことがあります。
 あるいは例えば相手が会計時に「袋」と発言した場合、自分が「袋」が欲しいことだと思って袋を渡したとしても、相手が「袋」に品物を入れて欲しいと思っている場合もあったりして、自分と相手とで解釈の違いが出てきてしまったりすることもあります。これは問題です。
 
 ですから、こうした問題を防ぐため、少なくとも私は文章作成や受け答えをする場合、質問に対しても単語で答えないように心がけたり、柔軟な発想を持って対応したいと思っています。


そもそも「型」以前の問題


 そもそも「型」が無いと言葉や受け答えのなされないことがあります。

 発信する場合に顕著な例が見られますがせっかく相手に理解してもらおうと言葉や文章を出しているのに実際には相手に伝わらないということが起こり、これは実に寂しいです。

 ですからこうした寂しい状況を打開するためには「型」を上手に適応する必要があります。そして、「型」を適用する以前に相手を知りたい気持ちや、共感を図りたいと思うことが重要な気がします。言いかえると「型」はある種「手段」と言い換えられるのです。

 即ち「相手を知りたい」と思う「目的」を持つことで、相手に関するであろう情報をあらかじめ仕入れられますし、相手との共感性を図る言い回しを考えたり細かい違いに気づく「敏感性」や「機微を感じること」につながり、上手な「型」の使い方が考えられると思われます。

 一方「型」を使用しないことで自分の意図が相手に伝わらないことから改めて理解や共感の重要性を反省として知る、といった方法もあくまで方法としてはあると思います。


それをいかを読んで考えました。
書くことが思いつかない人ための文章教室 近藤重勝著 幻冬舎発行 2011.9です。

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