一元化に隠れた多様性を見出す大切さ


 学校や社会などにはルールがあります。ルールは一元化する傾向にあり、それにとらわれてしまうと多様性の求められる社会では成長できません。これは問題です。そこでこうした一元化に集約されつつある社会のなかで、どうしたら多様性を見出し成長、そして最終的には満足を得られるのでしょうか。ここでは「緩み」と言う視点に立って、一元化に隠れた「多様性の大切さ」を書き、またそうした多様性を見出すための方法を書きます。

規制の中の緩みや遊びを見つける事が大事。


 現在のような多様性のある社会では、かつてされていた小中学校のような一元化した考え方、たとえば「文系」「理系」などのレッテル張りからを決め付ける考え方は無意味です。

 こうしたレッテル張りや決め付けをすると、考えることを放棄してしまいます。上記の例で言うなら文系だから数学ができないはずである、といった誤解や理系だから相手の気持ちが理解できないはずだなどといった間違った結論を持つ危険性があります。ですからそうしたレッテル張りからの思考停止を防ぐためには、レッテル張りでは成り得ないことを見越して、物事の役割を認識し、協力する必要があります。
 たとえば大学でしたら教育機関と研究機関としての両面があるけれども、そのうち研究機関に特化したりあるいは専門学校であったら、実践教育に特化したりすることでしょうか。

 その一元化した考え方の先に存在するであろう緩みや遊び(選択肢)を持つことで目的やすることが見出されます。
 緩みや遊びとは自由で選択できることをさします。これは一方では選択に責任を持つことでもあります。


緩みを得るには日常を知ること


 緩みや選択肢を見出すことの例として、例えば物事を「良い」と判断する基準があります。通常そうするためには①経験と②文献調査が必要です。

 ①の経験は社会学で言う一次調査と言え、自分が経験することです。当たり前になってしまうと、ついつい普段からあることを忘れてしまいます。ですから場合によっては、すべてを捨てる必要あることの必要な場合もあります。
 ②の経験は社会学でいう二次調査と言え、他人が経験したことです。教養としての本や、概念を理解する意味で辞典も使ったりします。

 こうした経験や調査資料を持ちよることによって一つの「いい」ということも、さまざまな分布で成り立っていることが知れます。
 すると例えば自分と他人での議論となった場合、相手と自分のどこに「違い」があることがわかりその違いからどこを譲ってどこを譲らないかと言った「どうするか」などといった解決策、交渉術を見いだせることが可能です。


緩みとは本質を見極める方法


 こうした情報を活用することは本質を知ることともいえます。

 例えば相手を理解する場合であれば言葉だけにとらわれず、身振り手振りや態度など、すべてを見るといったことにも応用できます。

 そしてそうした考え方が鍛えられるとたとえこれまで一つしか考えられてきていない選択肢であっても、少なくとも二つ以上の考え方を得られるようになります。

 例えば本音と建前とを生きるときに利用する場合などがそうです。あるいは子を産むことをひとつとってもメリットでもデメリットでもあり、両面からどうするかを考えられるかもしれません。
 また引きこもりも精神疾患と神経症的なものがあることやMBAも地域型と会社型とがあることを知る事が可能です。

 こうして答えが一つしかなさそうだと思われることでも、良く考えると二つ以上の選択肢のあることがわかることで、自分にとって適切な選択を図れる可能性があります。それを考えることができるようになると、選択が出来るようになることで自分が満足できる部分があると思われます。



それを以下を読んで考えました。
サヨナラ、学校化社会 上野千鶴子著 太郎次郎者発行 2002.4です。

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