相談員の自信と母性や父性といった考え方


 相談員としてその特性が見出せない場合があります。そのような場合、お客さんに適した対応が出来ず、さらには自分のアイデンティティも確立出来ません。これは大変問題だと思っています。そこでここでは相談員としての特性を見出すために相談員が必要と思われる資質(自信と、母性・父性)を書き、自信についてどのようにしたら身に着けられるかを書きます。


相談員は控えめなほうがいい?


 多くの福祉組織では相談員という職種の方がいます。こうした職種の方は一般的には控えめなほうが良いそうです。しかし私はそうは思いません。なぜならば、控えめでないほうが自分の自信がつきますし、相手へ自信を与えるきっかけとなりうるからです。

 そもそも相手が相談しに来ているということは相手が何らかの不安を有していることが考えられ、自信がなくなっている部分があると思われます。そうした自信のない方からの話を聴いたり指導する場合、相談者以上に相談員の自信がなくなっていては相手に自信をつけてもらうこともできませんし、本来出来ることもできなくなってしまいます。ですからこれは問題です。

 確かに気持ちを共有するという意味では控えめなほうが相手の気持ちに寄り添える部分はあると思いますが、相談員としては寄り添うことは大事なものの、それが必ずしも目的になるとは限りません。自信を持って相手が巣立ってもらうことが目的です。


自信をつけるには


 そこでどのようにすれば自信がつくのかを考えます。自信をつけるには通常二つの方法があると考えられ①自分の心を真剣に向き合う方法と②取り急ぎ行動から自信をつける方法とがあるように思えます。そこでここでは②の方法を紹介します。

 一般的に笑顔を無理やり作るとそれに合わせて気分も高揚するといわれています。これと同様に、通常自信のある場合には声が大きくなることが多いです。ですから、自信と声の大きさが関係あることを知り、声を大きくすることで自信を持つ方法があります。

 岡野雅行さんの「心が折れない働き方(青春出版2011.12)」にも書かれていますが、自信を持つことは同時に自分の存在をアピールしていることとも言え、声が大きいということは自信も大きいと考えられる部分があります。


自信以外に必要な母性と父性


 また自信以外にも必要な相談員の資質や考え方は、大きく分けて二種類あるのだと思います。ひとつはやさしく、控えめで相手のことを支える母性型で、もうひとつは場合によっては厳しく、相手の行動を見守る父性型です。これらをバランスよく持つ必要があります。

 私は男ですから、どちらかというと父性型の考えを有しています。その父性型の考えの中には、上記のように相手が自立を見守る考えがあります。

 こうした考えがあると、かのエイブラハム・リンカーンの言葉にもあるように、相手が道で倒れた後にどういう行動をとるのかに興味を持つことができます。「あなたが転んでしまったことに関心はない、そこからどう立ち上がるかに関心があるのだ。」という考えに至れます。

 なお土居健郎さんの「甘えの構造(弘文堂出版1971.2)」にも書かれていますが、日本は甘えを大事にする母性的な社会です。それが起因しての話なのかわかりませんが、男性でも母性的な考えをお持ちな相談員の方が多いです。実際私が実習指導者講習や地方の精神保健福祉士の勉強会に参加していても、そのような母性的な考え方をお持ちの相談員の方とよく遭遇します。そのような母性的な考え方をお持ちな方が社会に合い、また好まれる部分もあるのはわかるのですが、それにこだわるだけでなく父性的な考え方も持って相談員としての資質を磨き続けていただければと考えています。

 そうした父性と母性をバランスよく持つためには、まずはそういう考えがあることを知り、普段の行動を見直して徐々に改善する必要があります。

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