職人さんは専門家
日本の現状、製造業の道のり
使い捨て文化が良くも悪くも浸透
しています。
使い捨てのできる分野では、一品一品精工にものづくりをするよりも
工場にて大量、安価にものづくりのすることを是とします。
材料を安い発展途上国から輸入し、
人件費の安い国の工場にてものづくりを行い
できた製品を先進国に売ります。
製品を普及させるには工場生産品を売るのも一つの手です。
しかしどうしても
高精度な製品を求めている場合
職人や、高度な技術が必要
なことが多聞にあります。そしてそれには日本人が寄与することがあります。
細かい分析機器や宇宙開発分野などが代表です。
工場で製品を生産すると、誰にでも製造することができる反面
製品の二番煎じができやすくなります。
すると価格競争主義、金儲け主義になることもあるでしょう。
価格競争主義において、会社の発展はもう望めないと思われます。
職人の発端
職人文化は使い捨て文化とは異なります。
では職人さんはどのようにしてなられるのでしょうか。ひとつに
好きな分野を持つことと
現状を受け入れること
とが互いに良いサイクルを形成するのだと思います(下図)。
間口が広く誰にでも出来る分野を長年従事することにより
身の周りを踏みしめ、作業に奥行きを広げます。
FF5で言うところのアビリティシステムです。
職人さんの気持ちと技術
1、気持ち
どうも職人さんというと気難しいイメージがあります。
職人さんという立場に上がるまで多くの葛藤があったのでしょう。
自分の能力の欠点を指摘されたくないための強がりや
辞めたら辞めたで心残りがあるくせに「辞めたい」と言います。
心の甘えをもつ方が居る一方、相手のよさを受け入れる方や
未来を見据えて自分の行く末を考えておられる方も居ます。
2、技術
基本的には職人さんは日々改良をする必要があります。
作業は早く綺麗に作ることを目的とし
機械の能力を知り、その能力を利用する人も最近では求められています。
職人さんの生きる背景には
従業員制度とは違った請負制度のあることが考えられます。
アウトプットする出来も改良することはもちろん
そのアウトプットするまでの道具も自分でそろえ、改造します。
大工でしたら大工道具をそろえ、改造する場合もありましょうし、
コンサルタントの専門家でしたら本にて知識を蓄え、応用するでしょう。
また、日々の自分の行動を自分の教科書とする方も居ます。
後継者としての気持ちと行動
人は年齢が経つにつれ、ある程度まで能力が上がり、そして落ちます。
アウトプットする製品の品質を一定にし続けようとする場合
会社の信用に関してもいえることですが
適切に自分の技術を引き継ぐ必要があります。
今でもそうですが、後継者を育成することは重要となるでしょう。
後継者として、もし職人さんになろう、いいものを作ろうとするならば
どんなに職人にどやされようとも
本気で付いていく気持ち
を持つのと、
職人さんの良いところを
掛け合わせる発想力も必要になる
のだと思います。
職人さんの技術を職人さんの技術として終わらせるのではなく
さらに強く成長させていく気持ちが大事なのだと思います。
それをこの文献を読み考えました。
「仕事が人をついくる(小関智弘 著 岩波書店 発行 2001.9)」です。
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