看る者・看護師さん
病気を治療するのは医師です。一方医師を支える看護師が居ます。
病気には大小さまざまありますが、時に「死」に直面する場合もあります。
そのような死に直面する場合、
医師を含め看護師さんも本人やご家族へ慎重に対応します。
どう対応したらよいか悩み、加えて万年人数不足・交代勤務であることから
非常にストレスのたまりやすい仕事です。
一方、近年では看護する方の環境をよりよくしようと言った組織側の動きや
新たな問題の発生箇所として社会もあり、
私のようなPSWが協力することもあります。
いざ!というときに揺れる看護の対応
人の死はまわりによくも(病気)悪くも(自殺)影響を与えます。
死に対し、苦しくても治療するほうが良いのか、
あるいは気持ちよく死せるほうが良いのか
いくら法律上生命を守る義務があっても、
看護する者は考える機会はあるでしょう。
そのような時に限界まで突き進むか、
あるいは諦めるか、選択を迫られます。
すると治療の妥当性を取るのか、患者の意思を取るのか、に対し
どこまで説明するかも考えることがあります。
例えば全身麻酔をした手術後、副次的に現れる幻覚は
手術という本筋に関係が無いため伝えなくて良いのか、
ということであるとか
誰かの主観で作られた記録を見ることで患者さんを見なくてよいのか、
であるとか
患者が経管栄養で不安だといっても「万全です」説明すること、
であるとか
・・・数えだせばきりがありません。
つまり、看護は
患者さんの肉体と精神面の苦痛を和らげる必要があるのかもしれません。
そのため技術習得は当然必要なのですが、それ以上に毎日にゆとりと、
感受性を得ること、学びを広く知ることも重要なのだと思います。
また、症状の改善を緩和を求められる一方、
諦めることも時に必要だと思います。
普段は健康診断や病気のときくらいしか接する機会が無いかもしれない
看護の方ですが、彼らはどんな人なのでしょうか。ここで書こうと思います。
看護する人
介護を含め看護も同様に、
どうも日本は女性の仕事を軽く見る傾向があります。
また本来専門職なのですが技術料も発生しません。残念です。
看護をする場には看護師、准看護師、看護助手の人たちが居ます。
そのなかで一番人数割合の多いのは看護師です。
法律で保障されていて、 なるには専門学校、もしくは短大、大学を出、
国家試験に合格後、登録しなければなりません。
毎年人数が足りないといわれていますが、医療の質の低下を恐れてか
ボランティアなどの外部者の受け入れは極力抑えるようにしてます。
特に入院している患者さんは、
生きている以上24時間体制で見る必要があり
看護者の人数が少ないこともあってか
多くが交代勤務で働いています。
デートの時間も勤務時間の限られた時間でしかできず、
結婚休暇もろくに得られません。
また死と直面する場面が大きいため、ストレスが溜まります。
ですから打ちひしがれて燃え尽き症候群にならないよう、多くは
プリセプター制度
(会社で言うところのOJTトレーニング)が敷かれています。
なお豊島調べでは放っておけない人、
先取りしたい人が多い気がします。
私見ですが、「頑張れ」という言葉で患者さんを追い詰めたり
規定時間に食事を食べさせるため薬を食事に混ぜたり、
規則的な生活を送ると称して排泄の時間を決めることをしたりします。
そのような場合、私はこれが人を看るってどういうことか、
と違和感を感じます。
看護師さんを取り巻く環境
制約の多い看護師さんですが、
その看護師さんを取り巻く環境として
支える組織の病院と、
あらたな問題の発生箇所としての社会とがあります。
- 支える組織、病院
多くの看護師さんは病院という組織に属します、
そして病院を作る経営者も居ます。
経営者らは職員の住環境整備から
院内保育所の整備、給料の向上を行い、出来る限り
看護師さんの定着を図ろうと考えています。
結婚、出産で離職する人が多いからです。
一方、環境整備だけでなく、
看護師さんが多くの時間に割かれる引継ぎの時間を短縮し
患者さんに接する時間を増やそうとする動きがあります。
こういった作業時間の短縮にはトヨタをはじめとした製造業の
「無駄な時間を排除する精神」が有効になるかもしれません。
これらを通して患者さんを一人の人としてみて、
ゆとりの取れる看護を目指します。
- あらたな問題の発生箇所、社会
近年核家族化から、親は一人の子どもにかかる時間が多くなり、
子を甘やかすことで、外界の刺激に対し弱い、
つまり治癒力を待てずに育つ人がおおく居ます。
加えて親が何でも簡単に与えてくれることから
短絡的に物事を考える方もおおくいます。
それがこうじてか患者を病院に預けてしまうと、
世話をしないといった家族も居ます。
そのようなご家族にも会話を通して自立を促したり、
患者さんが家に帰った後で世話をしてもらえるような環境の整備や
愛情の育成をするため、われわれPSWやMSWが動く場合もあります。
まとめ
動く理由が患者さんの意思か、
あるいは組織のためかで対応は異なります。
そうした迷いの中で、看護師さんに対し、慎重に、ゆとりを持って
考える環境を持っていただきたいと思っています。
人数が少ないので難しいですがね。
それを以下を読んで考えました。
増田れい子 看護 岩波書店 1996.1です。
出産、結婚が看護者さんの退職理由となっていますが、
それと同等に隠れた原因として「職員同士のいじめ」があると思っています。
私も看護助手として病院で複数回勤務していましたが、
働くにはある種「コツ」のいることを学びました。
また、この本には不法滞在外国人が准看として登場しますが、
日本は医療職に限って不法滞在外国人を認めるケースがあったのかな?
と疑問に思いました。
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