生かされたものの役割、出来ること。
死した体験を身近で感じるからそこ、生かされている者が
「気持ち表出」の大切さ、「感情を置く時間」の大切さを認識します。
また新たな死を生み出さないためにも
他人のわずかな変化を見逃さない「感性」を磨きたいです。
自死者の事例を今生きる人に生かす。
自殺者数が多いです。ここ数年は年間3万人を越えています。
この原因は、健康、経済、仲間、など
などさまざまで複雑だといわれています。
しかし本当の原因は死した個々人によって違い、
また本人にしか解りません。そしてすでに本人は居ません。
自殺の起こった後はどうしようもないですが、遺された人へのケアとして、
遺された人同士が気持ちを吐露しあうセルフヘルプグループがあります。
同じ経験をした人たちが集まり
- 解決は出来ないが共に感じ、安心の出来る自由参加の場
- 内在した気悲しみや苦しみを表出させる癒しの場
- 歳月経過に伴い、気持ちが整理される場
一方、この「死」の問題はカウンセリングでも重要です。
一般的に「死」の手前を体験することで初めて「生」を味わえるからです。
これらセルフヘルプグループ、およびカウンセリングを通して、
生きるわれわがどう生かせるか、考えます。
ですからここでは自死した子を持つ親の気持ちや傾向を経時で見ます。
気持ちや状況の変遷
自死前
自死前は凄く極端にお子さんに期待するか、もしくは期待しません。
私は何か親御さんがお子さんの気持ちを見えていない気がします。
自死直後
実にショックです。
理由や動機を含め、解らないことが多いため
混乱と悲しみは底知れません。
世間から家族に責める言葉が突きささります。
以後書いたり話したりして感情を出すことが望まれます。
手っ取り早く悲しみを転嫁するため宗教にすがる人が居ます。
+数年
しばらくは「事件直前にああしていれば」と思うようです。
自分の子の死を認めたくないことから、
周りとのかかわりを持ちたくないこともあります。
子のことをいつも思い、寂しさが伴います。
+数年+数年
心中は悲しいながらも空虚感が出来ます。
いずれ立ち上がらなくては、と思うこともあるようです。
+数年+数年+数年
悲しみは結局のところ消えませんが付き合えます。
自然に還ること即ち真実を見る目が養われ、向き合い方を考えます。
まとめ
自死は起こらないよう、
事前に親御さんがお子さんをよく観察することは重要です。
しかし普段の接し方を観察するのも難しい話です。
自死の可能性に怯えて萎縮してしまうのも
お子さんのためにはよくないです。
一方お子さんは何らかの違和感を発信していると思います。
ですからそれを感じたいです。
また、観察していても残念なことに自子が自死しまう場合もあります。
そのときには、次のことが必要です。
初期では悲しみを深める以外生き方を考えることは出来ません。
ですから自分の思いを話すのが大きな意味を持っています。
年月が経つにつれ、困難ですが死を認めることで、時間に感情を置いてゆきます。
お子さんが皆違うように解決方法のマニュアルは無く、
自分のペースで歩くことが大切です。
このことから人を育てる場合でも、わずかな変化を検知する感性、
気持ちを表出し、気持ちを置く時間を持つことが重要と思われます。
それを以下の文献を読んで考えました。
若林一美 自殺したこと物親たち 青弓者 2003.1です。
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