ものづくりの場で必要な「選択と度量」

  ものづくりをしている会社には高品質化で大量に生産する開発会社と低品質でも新たな少数のものを生み出す発明会社とがあります。どちらにも、独創性が必要です。独創性が無いと永遠に二番手で、売り上げもそれなり、そして弱いです。これでは問題です。そこで強い会社になるため、即ち独創性や技術力を得るためにはどうしたらよいのでしょうか。ここではその会社における環境の整備方法について述べます。先に結論を書きますと、どの分野を専門にするかと言った「選択」と無駄を多少出しても良いといった「度量・認め・ゆるし」が必要になると思われます。


企業による役割


 SONYと言うメーカーがあります。生活には困りませんが便利なものを作る企業です。一方SHARPというメーカーがあります。市場にあわせた製品を作る企業です。

 これらのどちらがどう良いかというのは人によって異なります。また企業規模によってもどのような役割を果たせばよいかは異なると思います。ただ、いずれにしても、独創性をもてることが大事です。


企業体質


 独創性がないとどうなるのでしょうか。一つに営業第一主義な場合、研究を敵視し、口で何とでも言って売ることを目的とします。

 ですからそのような企業の場合、厳しくしさえすれば何でも出来ると思われています。規則で縛りますが責任は持ちません。取り組め、何とかしろと口だけは威勢が良いです。

 これが続きますと、絶対的な指標、技術力が無いため軸がぶれます。技術者はないがしろにされ、傷つけられることがあると思います。私はこれはメーカーである以上、おかしいと思っています。


ものづくり企業は


 そのため、絶対的指標や技術力を持つためには、環境を整備する必要があります。具体的にはどこに専門的な分野を持っていくかと言った「選択」と多少の無駄の排出をしてもよいといった「度量・認め・ゆるし」が必要です。

 選択する理由は全てが得られないからです。どの分野でなら勝てるかを選択します。逆に言うと、どの分野を捨てるかと考え、初めて技術力や専門性が得られます。
 また新しいものや考えは「可能性があるね」と認められる環境でこそ生まれえます。「駄目だ」といった効率性重視の環境では絶対生まれません。

 責められてばかりだと、新しい物を作る意欲を失ってしまいます。そんな新しい物を作ることをないがしろにしているメーカーが多く、私は残念です。


それを以下を読んで考えました。
町田勝彦 オンリーワンは創意である 文藝春秋 2008.9です。

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