精神保健福祉士の実習 指導者が必要なもの3 マネジメント
実習の目的を知り、スーパービジョンで実習生のよさを出した後には、それを順位付けし、実施項目をつける必要があります。ここではそうした順位付け、マネジメントに関することを書いています。
実習における他者の役割の大切さとマネジメントの必要性
前回でも記しましたが、実習は実習生だけでなく、指導者側も成長する事が可能です。ですからどちらかと言うと実習は指導者側も積極的にされたほうが良いと思います。
また、実習指導(や後進育成も含む)をすることで後々、実習指導をした実習生にお世話になることが出てくる事も考えられます。ですからそういった意味で実習を積極的にすることは指導者側にとってもいいことだと考えられます。
その際、他者の協力があることで実習はより実りあるものとなります。そうした意味で他の医療関係者の会議ではケアカンファレンスや援助法を用いています。PSWも参加することがあるでしょう。
これらのことは限られた時間の中でヒト、モノ、カネを効率的に提供する意味でまた結果としてですがサービス向上を図る意味でマネジメントを取り入れられる場合が多いようです。もちろんPSWの実習指導でも用います。
マネジメントとは
マネジメントという言葉を聞くと、時間が関係していてそれを短くすること、厳しくすることだ、と言った思い違いをしがちです。しかし本来のマネジメントはそうではなく、目的に沿った取捨選択をすることを言っています。
なおことバンクによると下記のように書かれています。
【英】management
マネジメントとは、計画-組織-統制の一連の活動。企業に導入されれば経営管理。しかし、マネジメントは役所、学校、政党のような組織体にも不可欠である。マネジメントには、マネジメント機能が必要であるが、マネジメント機能は計画-実行-審査(plan-do-see)の循環であると開設している。計画を立て、実行し、その結果を比較・分析・審査することによって、つぎの計画をより合理的にたてるよう配慮するといった考えや態度、やり方である。
特に精神保健福祉士の実習ではマネジメントを行うことで、①サービスの低下をさせない②利用者の健康を損ねない③全ては防げないがアクシデントに対処することが求められます。
マネジメントで失うものを失わないために
マネジメントをするにあたり目的が必要となります。目的がない場合はゴールが見えない状態でいつまでも走り続ける事となり、実習生、及び施設側も走り疲れてしまう危険があります。
先ほどのようにマネジメントを厳しくすることと勘違いしている場合には特に問題です。勘違いしている場合には実習生の意欲を消してしまうだけでなく、息の根を止めてしまいかねません。ですから注意が必要となります。
マネジメントをするための目標設定と手段
適切な目的とマネジメントをするためには事前にオリエンテーションをする必要があります。事前オリエンテーションをすることで実習生と、施設側との波長をあわせます。また実習生の事前学習の評価を養成校に持ってきてもらうとともに(何ができて何ができないかといったことを客観的に知る指標とする。)施設側と養成校との計画や目的、目標のすり合わせをする必要があります。
その際、利用者さんの計画と実習生の計画とはどうしても異なる場合のあることを知る必要があります。具体的には利用者さんの計画の場合は社会に出て自分の生活をしてもらうことが計画の中心になりますが、実習生への計画の場合は「「利用者さんの生活をしてもらえる」ことを支援するように働きかける」人間になってもらうようになる。ことです。
もちろん施設側と実習生側とで計画が計画通り進むことはないため、最初は大体でざっくりとした計画を立てることにはなりますが、いずれにせよハプニングが起こってしまった場合にはその都度臨機応変な対応が施設側、実習生側ともに求められます。
目的合致物を拾い不合致物を捨てる
目的を持ることで、それに合致している情報を拾い、合致していない情報は捨てます。これがマネジメントの大きなところです。
ですので実習生を見て時には①未分化な気持ちや行動を言語化し、②なぜと言った理由から行動を考察することを投げかける必要があります。また実習生が目的外のことに執着しているようであるならそれを捨てるお手伝いをする必要があります。
実習の期間は数日、十数日と非常に短いですが、その間でも基本的に①現実を観察することで仮設を立て、②仮設を検証しながら一般的に利用できる理論を作り出す。といった発想力や野外科学の考え方を元に実習生を支える必要があるように思います。
次回はマネジメントを用いた具体的な指導方法について、再び全体の流れと施設や指導者としての使い方を書きたいと思います。
紹介
返信削除言霊百神 http://futomani.jp/
おほもと http://www.oomoto.or.jp