他人と協力して問題を解決するための方法


 世の中には自分ひとりで解決しきれない問題が山ほどあります。そうした問題はそのまま放置しておいてももちろんよいのですが、複数人で解決することで次に対するアクションを明確にできる意味で重要となる場合があります。特に仕事の場面ではよく見られます。そこで社会に出る前に、他人と協力して問題の解決をするためには1)どのような考えを持ち、2)どうすることが大事なのでしょうか。ここではその方法を示します。


問題解決には多くの人の助力が必要。


 若いころには自分が何でもできるといった万能感を持ちがちです。それが強過ぎてしまうと事実を自分都合でゆがめてしまう意味で、一般的に自己愛性人格障害が疑われたりします。
 しかし病気になるほどまで事実をゆがめることが強くない場合、現実から自分のできないことや理想と現実との差から挫折を感じることがあります。それゆえ世の中には自分ひとりで抱えきれない対処しきれない問題が多くあります。
 そうした自分の無力感、無知の知、解決し得ない問題を知った場合に、うまく他人と折衝することで、自分ひとりでは解決し得ない問題に対し解決に向けて助力を得られる可能性があります。
 特に会社という、利益を協力して高める組織では、この自身の力量を知り、他人と協力することは重要です。


相手との協力。ーコミュニケーションの重要性ー


 社会人にとって他者と協力することは大事なのですがその指標のひとつとして、採用面接において面接官が見ているもののうち、重要なもののひとつに「コミュニケーション力」や「コミュニケーションをとる力」があります。

 この「コミュニケーションをとる」というと、一方的にしゃべくりをすることや相手に自分の主張を押し付けることなどの勝ち負けで評価できるもの、と誤解されがちですが、そのようなことではないと思っています。
 私が考えるにどちらかというとこれは 相手の問いに適切に返答したり、相手と自分との主張を分解し、どこが受けいれ可否か、といった「課題の明確化」をすることだと思っています。つまり「相手の反応に適切に対応する」ということです。
 そのためには相手が何を言っていることを理解し自分の主張を言う、という意味で理解力と推察力、発言力が必要です。

 こうした理解力と推察力、発言力を培うためには、自分と考え方の異なる種々雑多な人と話をして多くの価値観を受け入れる必要があります。あるいは他人の主張の集大成である本を読んで理解することも重要であると思われます。
 後者の本を読むことを考える場合、何の本を読んでいいのかわからないと思われるならば、まずは手始めに自分の興味あるの分野の本を読んでみてもよいかもしれません。また前者の人と話をするにしてもどんな人と話をしてよいかわからないと考えられるならば、取り急ぎ自分と近い考え方をもつ方と話してみてはいかがでしょうか。
 他人との話や本で自分との接点を得ることで、自分ひとりでは生じ得なかった新たな「なぜ」や「どうして」といった考えが生まれ、考え方を深化させられます。

 考え方を深化させる際には自分の軸、譲れないものを理解して、他人の情報を取り入れる必要があります。
 自分の軸を持つこととは真逆に位置するものとして日本には「空気を読む」というややこしい文化があります。雰囲気や常識のようなものを基準として決められるこの「空気の読む」ことに固着しすぎてしまうと、自分の軸がぶれ、言行不一致になってしまう事にもなりかねません。
 すると課題の解決よりも相手の考えていることや腹の探りあいが重要視されてしまいます。最終的には何がなんだかわからないものに注視してしまうようになります。これは問題です。



リスク管理をする。ー過酷な状況に飛び込み自省すー


 少し戻ってコミュニケーション力が特に低いと思われる方々には一例で、理系の方々が注目されることがあります。しかし私はこれは一方でいたし方がないと思っています。

 なぜならより理系のかたがたは高性能なもの、よりよいものを発信し技術発達させようとする場合、不必要なものを省くことで洗練され専門性が身につけてきた部分があると思うからです。
 
 その考えを社会に当てはめてみると、近年の社会では非常に理系の方々にとっては住みやすく、技術発達のおかげでコミュニケーションをとらずとも生きていける場面が多いです。
 
 たとえば携帯や電子メールの発展や、車やコンビニの普及などがあるでしょうか。電子メールで相手の都合を考えず一方的に文を出したり、24時間営業しているコンビニでは車を使えばいつでも店員さんと一言も話をせずとも買い物を済ますことができます。そうした便利で、コミュニケーションの必要とされていない場面では、必然的にコミュニケーションをしないようになる、と考えます。

 一方でコミュニケーションというものが少なくて済む場面では、より専門的、孤高な分野を洗練させることができます。この洗練された分野はものづくり界では重宝されます。ただ、変な分野ばかりとがっていてもそれを認めてくれる人は少なく、結局独りぼっちになってしまう危険性があります。これは相手との共感性を得ることができないためだと思われます。通常人間は他人と共感する生き物であることが知られていて共感することで相手を理解している部分があります。

 ですから現在のコミュニケーション不全の中で専門性を深化させたりが維持したりしながら相手との共感を得るため、自分の興味ある分野を高めるだけでなく、その裾野を広げる余裕や考え方を持つことは大事です。
 また そもそも自分がどんな分野に興味があるのかを知ることも重要です。

 自分の興味のあることは何かを考える場合、自分のすること(使命)と自分のできることを考えます。これらは同じものと勘違いしがちですが、実際はそれらが違うことを知り、使命を追い求める必要があると思われます。そのためには体験を多くする必要があるように思います。

 行動をし、目の前の状況を丁寧に観察してみてこの行動は自分にとってどうだといった自問自答をすることが必要です。この自問自答するということは、過去の自分の生き方 を自省することだと考えています。


 自省するには心動かされたのはなぜか、といった演繹法や、自分の今に照らし合わせると何かといった帰納法はもちろん、素直な気持ちを咀嚼、理解することが必要です。


まとめ


 まとめますと他人と協力するためには、コミュニケーションをとることが重要です。そのためには1)自分の軸を持ち、その軸のすそを広げること2)できることしたことだけでなく体験し、自省することが必要と考えています。

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