民間に求められるものは成長。成長には策作りと策越えを。

策の先には何が見える





 

















 最近の日本人は、大きく官僚的な組織を好みます。官僚的な組織は変化を嫌い、組織を回すことを目的とした組織です。ですから基本的に組織を守ることには長けています。しかし決して攻めることは出来ません。攻める、これは即ち成長することと同義ですが、これが出来ぬ限りは組織が続きません。組織が続かないのは問題です。では反対に「組織を続ける」にはどのようにしたらよいのでしょうか。実際社会に存在する「続ける組織」の一例に「民間企業」があります。そこでここでは民間企業から学ぶことの出来る、組織継続に関して、活かすことのできる点を書きたいと思います。


大組織ほど官僚体質


 今株価急上昇中の企業があります。こういった企業は今がピークなだけで、以後の成長は不明確です。大きな企業の場合は人員の保障をせざるを得ぬことから守りに入らざるを得ず「働かなくてはいけない」感が行動と同一に存在しています。またOBの力も強く、過去の栄光にすがりつつある場合もあります。

 これらは官僚主義的です。規制でしか動くことが出来ません。石油や太陽電池、建築など官主導の経済政策のとられることはままありますが共通していまいち勢いがないような気がしています。行動を法律遵守の形で縛り、出来ない理由を探す意味で減点主義です。これは、回すことが目的になってしまっている部分があるのだと思います。

 これが行過ぎると王道が第一主義で、成長しなくても良い、と考えがちです。最終的には組織として本質的な力を得ることが出来ない危険性があります。

 

成長を期待する民間体質


 これに対して、「変わること」や「成長すること」が続けるのには必要です。 それを取り入れている組織に民間、とりわけ中小企業の経営があります。・柔軟な策を作ったり、あるいは・策を越えたりすることを通して成長サイクルを回しています(下図)。決断を一瞬で、いかに早く動くか、暫定案を作るかが勝負となります。
図1.策の利用方法による成長
















 ところでどうも日本人の器質としては、年金や家、電気自動車など、投資した資金を長期的に回収するものに騙されてしまう、弱いところがあります。心のどこかで「明日も今日と同じようになる」と考えている、あるいはそうであって欲しいと望んでいる部分があるからかもしれません。しかし世の中一度として同じ時はありません。

 そしてこの傾向が分かると企業は、高品質で高価なものを一度でも売りつけさえすればよい、いかにお客さんを騙してでも高額なものを売りつけるか、と考えることからノルマ営業や策を作っての営業するところもあります。これではお客様を大事にするという企業の理念を追求できるはずがありません。


策を作るための方法


 そこで続けるための策とはどのようなものか、どのような策を作ってどう対処したらよいか考える必要があります。通常、新しいもの・策を作ろうとした場合には多くの課題が出てきますが、出来るだけ技術的な課題の多いものに応対するのが良いと思います。

 なぜならもともと問題が多いもののほうが、少し問題を解決した場合に良くなったと評価しやすいからです。ある程度できているものを完璧に、と考えるよりももともとダメなものをある程度の品質に、と考えたほうが力は少なくてすみます。

 そのため複数の課題に対し複数の技術で一気に対応することが望まれます。複数の技術で対応するには新陳代謝が必須です。新陳代謝と対になる同族経営やぬるい環境では複数の課題対処が難しいと思います。

 そして人の見えないところで勝つための努力を惜しまないこと、悪環境でも生き残ること、成長する気負いを持つことが大事と思います。


技術課題の克服法


 そのなかで特に複数の技術を得るための視点として以下の3点が重要になる気がします。①これまでの量的な目標から質的な目標に変えること。②情報が盗まれるかもしれないリスクを想定し、情報を漏らさないための対策を打つこと。③縦軸にすること、横軸に時間といったロードマップを作ることを通して、相手望んでいるもののどこに自社技術や自分を提供できるか考えること。これにより出来ないことをしないこと。



それを以下読んで考えました
森一夫 経営にカリスマはいらない 日本経済新聞出版 2008.12です。

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