頼む気持ちとその行動


「あの仕事、やっといてー」なんて頼みごとをされることもあります。




















 相手に対し何とかしてもらいたいなぁと思うことがあります。しかし何も考えずに頼んだとしても、いつも都合よく相手が頼みごとを聞いてくれるとは限りません、これは頼みたい側としては問題です。ではそのような「人に物を頼みたい」場合には、どうしたらよいのでしょうか。ここではその方法を書きたいと思います。


親和性があっての頼みごと


 言われなくてもわかってもらえる、と思っていたり、相手は察してくれるはずだ、と思っていること、これらは相手に強制する源となり、相手の気持ちはどうあれ、自分の都合の良いように動かせさせたろうと思います。
 そうした気持ちを持ったまま行動をしていると「北風と太陽」の北風よろしく、相手は着物を脱ぎません。

 そうした考えに対し、不安を回避するために親和性を持ち、自ら動いてもらうように働きかけることが頼みごとをする際には大事です。
 そうした親和性を得るには等な位置にする信頼関係が必要で、人に物を頼むには役割と行動とが存在し、それが循環しあっていることが重要と考えられます(下記)
図1.役割と行動の循環 役割が行動をつくり、行動が役割を作る。


















親和性を高める方法、物事


 親和性を得るためには食欲や睡眠欲、性欲など欲求を刺激し、満たすことで満足してもらう必要があります。ただし、これも刺激を与えすぎると徐々に必要な刺激が激しくなります。また一気に与えすぎても、ゴムを伸ばしていくと突然切れるように感じることがなくなってしまいます。

 そうした満足を得てもらうには相手との対等な関係を築くことが必要です。そのため特にフェアさや誠実さ、即ち短期的な収益ではなく、長期的な収益を見ることが望まれます。あえて失敗を見せる、という選択肢も有りだと思います。


物事だけでなく感情も共有する


 また、親和性を築くには上記の欲求などの物事も勿論必要なのですが、それだけでなく、感情の共有することも重要です。

 通常、人は行動に対しそれはなぜか、といった理屈、および着眼点がわかると受け入れやすくなります。ですから、例えば女性を褒める場合、感情の理由を言うと受け入れてもらい易いです。一方褒めることを目的とすると、見透かされてしまいます。

 加えて、注意することとして特に伝聞を用いると発信者の発言や感情が落とされるため、客観的に相手に情報が良くも悪くも伝わりやすくなります。良い噂話ならば相手が聞いて嬉しいですが悪い噂話は相手が聞いて余計に不快になります。

 こうした言葉を話す際の構成を考えることで、相手を上げたり下げたりして無報酬の「労い」や「声かけ」をすることができます。



関係作りから役割を見出す


 こうして対等な関係を築き、親和性が高まってきたことで、はじめて頼みごとに向けて動くため、役割を見出します。そのためには、素質や能力を考え、それが何か、相手との関係を積み重ねることが重要です。

 そして役割と対になる行動を変えたいと思うわけですが、これは相手しかなしえられません。他の人は立ち入ることはできません。ですから相手の行動を見ながら、自分がその役割を見出し、相手の行動を支援する形が望ましいと思っています。


自分のできることは少ない


 結局頼みごとをする際には相手の行動が第一です。自分が相手の行動を直接変えることはできません。 ですから自分がいかに相手にさせようとするかよりも相手がいかに納得するか、行動してやってもいいなと思ってもらうかが重要になるのだと思います。
 また、自分は相手の行動のお手伝いをする相手の行動を支えることしかできません。そうした「できる役割」の少ないことを認識して、その上で最大限動いたほうが得策と思います。
 例えば商売でしたらお客さんに購入意欲を持ってもらうよう働きかける、ことですとか。

 勿論相手が組織などでかつピラミッド的な構造をしているならば「選択と集中」を使って権限のあるトップに働きかけるのが効率的なものなのでしょうが、もちろんそれは一つの方法としてあるわけでそれが全てに適用できるわけではないことも知る必要が有ります。


それを以下を読んで考えました。
渋谷昌三 心を動かす 経済界 2010.10です。

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