商売を勝負と考えている奴はアホ

 ニュースを見ていると毎日毎日大きな会社が不祥事を繰り返し、場合によっては新聞などの報道機関に報道されること無く今日も多くの企業がつぶれています。そうしたつぶれてゆく企業の中で、特に商売において勘違いしているところは無いか、考える必要があります。その例をここでは記し、同じ轍を踏まないようにするにはどうするか、商売において必要なことは何で、それを達成するためには何が必要かといったことを書きます。


かつて日本に存在した悪徳企業と商売




 「豊田商事」と言う会社をご存じでしょうか。上の動画で示している通り、かつて存在した企業です。既にこの世には存在していない会社ですが、この動画を見ていて気になっていたことがあります。それは「商売を勝負事と勘違いしていること」です。
 商売を勝負と考えること自体はひょっとすると勝負を勝つ意味では重要なのかもしれません。しかしあくまでそれは短期的な決戦の勝ち負けなだけで、勝負事に勝ったからといって必ずしも商売ができる訳ではありません。商売を勝負事と考えている時点で相手を打ち負かすことしか考えることができず、その先にある大事なものを見落とすことになります。
 これは現在豊田商事だけでなく多くの日本の会社が見落としているところですが、「本来売とはお客さんに満足を提供するもので、特に商品を提供したあとにお客さんが本当に満足したか」を確認することが大事と考えます。

 また商売を勝負事と考えると長期的に応援してくれる人の数が少なくなると思います。なぜなら商売を勝負事と考えることで「誰か」が傷つくからです。たとえば自分が勝負事に勝ったとしても勝負した相手が負けます。するとそれ以後自分とお客さん以外に応援してくれる人は居ません。すると業界事態の発展はしていかないと考えられます。
 ですので商売を考える場合には誰かを傷つけて勝ち上がることを考えるのではなく、みな幸せになれる選択肢を考える必要があります。そうした「幸せ」を考えるに当たって一番大切なものは、商売を「お客様を満足させるもの」として考えることです。そうした選択を考え付くことで、自分も相手もお客さんも皆嬉しくなることが可能ですし、場合によっては競合した相手企業も勝負に勝った負けたをした後だとしても、応援してくれる場合もあります。すると業界自体の発展も望めます。では、そうした選択を見つけるためには何を大事にする必要があるのか考えてみましょう。


もっとも大事なものは会話


 根本的な部分として大事なものは相手の熱意を引き出すコミュニケーションです。基本的な商売の考えとしては、お客様が望んでいること(熱意)をその通りにかなえてあげること<もちろん自分のできる範囲内で>が大事と思われます。即ち、売り手としては相手が何を望んでいるのか、その本当のところを詰める必要があると思います。

 そもそもなぜこのような商売を勝負事とを考えているのでしょうか。ひとつに「確実なことを不確実に認識している」部分があるのだと思います。そして自分自身があまり言葉について誠実に扱っていない部分があるのではないかとも考えています。即ち多くの人が実は人と人との交流をそれほど重要視していないと考えられるのです。プログラマーと営業、お客さんの望んでいることの違うことは次の図で示していますが、
このように知らず知らずのうちに「こうなるはずだ」などといった考えに支配されている部分があるのだと思います。これでは現実を直視できるはずも無く、会社も社会も発展を期待することは不可能です。


自身の気をつける点と商売の肝


 こうした問題点をなくすためには、まずは自身が誠実にあることが重要なのではないかと思われます。この場面でもやはり不誠実な人は嫌われます。なぜなら不誠実ですと相手の言っていることが理解できていない、もしくは理解しようとしていない部分がでてくるからです。客としては言いたいことがあると思っていても、それをうまく引き出せない部分があるとしたならば、それは営業としての瑕疵になります。
 誠実にあるに当たって必ずしも辞書通りの言葉を使えと言うことはないと思います、私自身が辞書どおりの素晴らしい言葉を使っていると言う自信もさらさら無いのですが、少なくとも商売をする場合においては、自分の使っている言葉やニュアンスは相手と合っているかを詰める必要があるかもしれません。
 物を売ること自体はただ「商品を望んでいる人に渡す」と言った単純明快なやり取りだと思うのですが、それを超える戦略として私は商売は勝負事ではなく、お互いに満足する可能性を見いだす場だと考えています。そうした心身的な余裕が持てると今後は「勝った負けた」を考えることなくよい交渉ができるのではないかと考えています。

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